2024年4月22日月曜日

(ふん・くそ・まり) 動物が肛門から排泄する食物のかす。大便。

音読みで「ふん」。訓読みで「くそ」。「放る(まる)=排泄すること」を転じて「まり」と読ませることもあるらしい。

目高の群ひるがへりをり糞もまた  箱森裕美 『鳥と刺繡』

金魚の「くそ」とは言わず「ふん」と言うから目高も「ふん」と読むのだろう。なにがあったかはわからないが、目高たちが泳ぐ方向を一斉に変えた。すると、彼らの排泄物も水中に同様の軌跡を描いたのだ。静かな世界の異変が淡々と記されている。

遠火事や玻璃にひとすぢ鳥の糞  相子智恵 『呼応』

ガラス越しに火事を見ようとしたら、外側に鳥の糞が垂れていたのですね。「くそ」とか「ふん」では興醒めかもしれません。たぶん「まり」と読ませるのでは。

春立つやジャングルジムのなかに糞  喪字男 『モジオロジー』

こちらは「くそ」ですね。そして、きっと人間のもの。陽気がよくなると外におかしな人間がでてくるようになる。

煮凝

煮凝(にこごり) 魚の煮汁が寒気で固まったもの。


煮凝りの中に眠たき王都かな  箱森裕美 『鳥と刺繍』

煮凝りの中に王の都があるというのだ。都の盛りはとうに過ぎているのだろう。静かに滅びの日へと時を進めている。なににも抗うことなく目を閉じて黄昏に身を任せたい。

糞 (ふん・くそ・まり) 動物が肛門から排泄する食物のかす。大便。 音読みで「ふん」。訓読みで「くそ」。「放る(まる)=排泄すること」を転じて「まり」と読ませることもあるらしい。 目高の群ひるがへりをり糞もまた    箱森裕美 『鳥と刺繡』 金魚の「くそ」とは言わず「ふん」と言う...